「会社に持株制度があるけど、やったほうがいいの?」
「自分の会社の株に投資するって、なんかリスクが高そう」
「奨励金があるのはわかったけど、結局いくら得するの?」
結論から言います。奨励金が単利で8%以上あるなら、やらない理由はほぼありません。
ただし、条件次第ではやらないほうがいいケースもあります。私自身、奨励金10%の持株制度をフル活用してきた結果、現在はポートフォリオの20%まで膨らんでいます。ただ正直に言うと、これは想定以上に会社の業績が上がったことによるもので、本来はここまでリスクを集中させてはいけないとも感じています。
従業員持株制度とは
従業員持株制度とは、毎月の給与や賞与から一定額を積み立てて、自社の株式を購入できる制度です。多くの企業では会社が積立額の一定割合を上乗せしてくれる「奨励金(マッチング拠出)」があります。
たとえば毎月1万円積み立てると、10%の奨励金がある会社では毎月1万2千円分の自社株が買えます。投資開始と同時に10%の確定リターンが得られる計算です。
持株制度をやっていい判断基準
持株制度は「奨励金があるから必ずやるべき」ではありません。以下の3つを全て満たす場合に、やる価値があると考えています。
① 奨励金が単利で8%以上ある
奨励金はあくまで単利での補助です。インデックス投資の長期期待リターン(年7〜8%程度)と比較したとき、それを上回る水準でなければ、わざわざ自社株リスクを取る意味が薄れます。
また、持株制度には「自分が働いている会社に給与と投資の両方を依存する」というダブルリスクがあります。会社が傾いたとき、給与も減り、保有株の価値も下がるという最悪の事態が起こりえます。だからこそ、それに見合う高い奨励金でないと割に合いません。
② こまめな引き出しができる制度・会社風土になっている
持株制度に積み立てたまま引き出せない状態が続くと、自社株への集中投資リスクが高まります。
③ 会社の業績が安定している
業績が不安定な会社の株は持株制度でも保有リスクが高い。財務の健全性と業績の安定性は最低限確認しておきましょう。
私の具体的な運用方法
■ 積立額は上限いっぱいに設定する
私の会社では、基本給の一定割合まで奨励金が適用されます。その枠を常に上限いっぱいに使うと決めています。毎年の基本給改定のタイミングで積立金額を見直し、常に奨励金が最大限もらえる設定にしています。
ただし一つ注意点があります。積立額を上限いっぱいにすると、その分毎月の手取りが減ります。まず貯蓄を作ってから、資金が回る範囲でフル活用するという順番が大切です。
■ 賞与積立も活用・年2回引き出す
私の会社では毎月の積立に加え、賞与時にも数倍の金額が積み立てられます。その積立が終わったタイミングで年2回、まとめて引き出しを行っています。
■ 引き出し後はネット証券へ移管して即売却体制を整える
引き出した株式は大手証券会社の口座に入ります。私の場合、そこから自分のネット証券口座へ移管して、いつでも売れる環境を整えています。
正直、この移管手続きが非常に煩わしいです。大手証券会社に電話すると毎回20分以上待たされ、書類を手書きで記入して郵送し、1週間後にやっと移管完了。さらに大手証券では売却手数料や移管手数料がかかる場合もあります。
こうした実務面の煩雑さも事前に把握しておくことが重要です。
■ 売却後の資金の使い道
引き出して売却した資金は主に2つの使い道に充てています。
- キャッシュフローの補填(積立で減った手取りの回復)
- 売却益はインデックス投資・米国個別株・優待株への再投資
⚠️ 現在の反省:自社株比率が高くなりすぎた
正直に言います。現在、自社株がポートフォリオの約20%まで膨らんでいます。
これはたまたま会社の業績が上昇基調だったため、保有株の評価額が大きく上がった結果です。リターンとしては嬉しい誤算でしたが、本来、自社株はここまで比率を高めるべきではありません。
現在はどこかのタイミングでインデックス投資に切り替えることを検討中です。
持株制度をやるべきでないケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 奨励金が5%以下 | インデックス投資の期待リターンと大差なく、自社株リスクを取る意味が薄い |
| こまめな引き出しが難しい | 単元株に達しても引き出せない場合はリスクが長期化する |
| 会社の業績が不安定 | 業績悪化時に給与と株価が同時に下落するダブルパンチを受けるリスクがある |
| 生活防衛資金が十分でない | 積立で手取りが減り、生活が苦しくなる本末転倒な状況になる |
| 自社株比率がすでに高い | ポートフォリオの10〜15%を超えてきたら、積立より売却・分散を優先する |
📋 まとめ
従業員持株制度活用のポイントをおさらいします。
- 1奨励金が単利8%以上であることが参加の最低ライン
- 2積立額は上限いっぱいに。ただし生活防衛資金を先に確保してから
- 3年2回こまめに引き出し、大手証券からネット証券へ移管して売却体制を整える
- 4売却益はインデックスや分散投資へ回して自社株リスクを解消する
- 5自社株比率が高くなりすぎたら迷わず売却。給与と株の二重リスクを意識する
- 6奨励金が低い・こまめな引き出しができない・業績不安定な場合は無理に参加しない
持株制度は使い方次第で「確定リターン付きの積立投資」になります。ただし自社への集中リスクを常に意識しながら、こまめに利確して分散することが鉄則です。



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