退職金の確認は、30代の資産形成において最も見落とされがちな重要ステップです。「退職金って、なんとなくもらえるものでしょ?」と思っていませんか?正直、30代になるまで私もそう思っていました。でもこれ、かなり危険な認識です。
退職金は「もらえるかどうか」だけでなく、今現時点でいくらになるかまで把握して初めて、正確な資産計画が立てられます。私が現時点で試算したところ、退職金はすでに約400万円になっていました。これを資産として認識できているかどうかで、老後の計画精度がまったく変わります。
この記事では、退職金の基礎知識から税制優遇、私が実際に退職金を確認した方法、そして把握した後の次のステップまでを解説します。年収400万円台のサラリーマンだった私が資産5,000万円超を達成できた背景には、退職金を含めた資産の「見える化」がありました。
退職給付とは|種類と仕組みを正しく理解する
退職給付とは、労働者が勤務先を退職する際に受け取る給付金のことです。多くの方がイメージするのは退職一時金(いわゆる退職金)ですが、企業によっては複数の形態が存在します。
退職給付の3つの形態
- 退職一時金:勤続年数や役職に応じて一括で支給される
- 企業年金:退職後に分割して年金形式で受け取る
- 退職手当:急な退職・解雇時に支給される一時的な支援金
会社によって制度が大きく異なる理由
重要なのは、退職金制度の内容は会社によって大きく異なるという点です。「うちの会社は退職金がない」という場合もありますし、計算方法も会社ごとに違います。2026年時点でも、退職金制度を持つ企業は全体の約7割程度とされており、3割の会社には制度自体が存在しません。だからこそ、自分で確認することが不可欠です。
退職所得の税制優遇について|2026年最新情報
退職金には、給与や投資利益とは別の手厚い税制優遇があります。これを知っているかどうかで、受け取り方の戦略が変わります。
退職所得控除の計算式と控除額の目安
退職所得控除の計算例を2つご紹介します。
| 勤続年数 | 退職所得控除額(目安) |
|---|---|
| 22歳〜40歳(18年) | 約720万円まで非課税 |
| 22歳〜60歳(38年) | 約2,060万円まで非課税 |
定年まで勤め上げれば、2,000万円超が非課税になるこの制度は、他の税制と比べても破格の優遇です。給与所得や株式譲渡益への課税と比較しても、退職所得は課税対象額が「(退職金-控除額)÷2」となるため、実質的な税負担が非常に軽くなります。
iDeCoとの受け取り時期の兼ね合いに注意【2026年版】
■ iDeCoとの関係について(要注意)
iDeCoの受取時期と退職金の受取時期が重なると、退職所得控除の枠を取り合ってしまう問題があります。2026年時点では、iDeCoの受け取りを退職金受取の翌年以降にずらすことで控除枠を最大活用できるケースが多いとされています。制度改正の議論も続いているため、iDeCoを活用している方は受け取り時期の設計を早めに検討しておくことを強くおすすめします。
退職金の確認方法 ― 私が実際にやったこと
退職金の内容は、基本的に就業規則に記載されています。会社のイントラネットに掲載されているケースもありますが、小規模な会社では総務担当者に直接確認するのが確実です。
総務への聞き方|角を立てずに就業規則を入手するコツ
私も以前の会社では周知されておらず、総務に確認しに行ったことがありました。そのとき使ったのがこの一言です。
「友人の勤めている会社が就業規則を周知していなくて、労働基準監督署を巻き込んだ問題になったと聞いたので、うちの会社はどうなのかなと思って」
おかげでコピーさせてもらえました(笑)。小さい会社ほど渋られることがあるので、自分の立場を悪くしない程度のアプローチで聞いてみてください。なお、就業規則は労働基準法により10人以上の従業員がいる会社では作成・周知が義務付けられています。
ポイント制退職金の計算方法(実例紹介)
■ 私の会社の退職金計算方法(ポイント制)
現在の会社はポイント制を採用しており、計算式はシンプルです。
💡 ポイント数 × 控除率 = 退職金
ポイントは勤続年数・役職・資格によって毎年累積加算され、控除率は勤続年数が長いほど100%に近づく仕組みです。私の現時点の試算では、退職金は約400万円。これを現時点の資産として計上できるだけでなく、今後のペースで積み上がる予測も立てられます。資産5,000万円超を達成できた一因は、こうした「見えにくい資産」を早期に可視化したことにあります。
退職金を把握した後の次のステップ|老後資産を逆算する
退職金の金額がわかったら、次は老後に必要な資産から逆算することです。以下の3ステップで「自分が今すべき投資額」が明確になります。
ステップ1〜3:老後不足額の算出方法
ステップ1:老後の月間生活費を試算する
現在の月間支出をベースに、老後に必要な生活費を概算します。総務省の家計調査(2026年版)では、65歳以上の無職夫婦世帯の平均支出は月約25〜28万円程度とされています。現役時代の支出と照らし合わせて、自分たちの生活水準に合った金額を設定しましょう。
ステップ2:公的年金の受給額を確認する
ねんきんネットやねんきん定期便で、将来の年金受給見込み額を確認します。スマートフォンのマイナポータルアプリからも簡単に確認できるようになりました。年収400万円台で働き続けた場合の受給見込み額は、夫婦合算でおおよそ月18〜22万円程度が目安です。
ステップ3:退職金を加算して「不足額」を計算する
💡 老後の必要総額 − 年金総額 − 退職金 = 自分で用意すべき資産額
この「不足額」を埋めるために、インデックス投資や確定拠出年金などを活用していくのが資産形成の王道です。
不足額を埋めるための投資戦略|新NISAとiDeCoの活用
2026年現在、新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)の年間非課税枠は合計360万円、生涯投資上限は1,800万円です。退職金で把握した「自分が用意すべき資産額」を目標に、毎月の積立額を設定することで、計画的な資産形成が実現できます。私自身、退職金を資産に組み込んで計算し直したことで、毎月の投資目標額を明確にできました。
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資産形成を加速させる「退職金の見える化」実践例
退職金を資産として認識するだけで、資産形成の取り組みへのモチベーションは大きく変わります。私が年収400万円台から資産5,000万円超を達成できた背景には、退職金・年金・投資資産のすべてを「見える化」して一元管理したことがあります。
退職金を含めた資産管理シートの作り方
退職金を資産管理に組み込む際は、以下のような項目でシートを作成するのがおすすめです。
- 現在の退職金試算額:就業規則の計算式をもとに算出
- 60歳時点の退職金予測額:現在のペースで積み上がった場合の見込み
- 年金受給見込み額(月額):ねんきんネットで確認
- 投資資産残高:新NISA・iDeCo・特定口座の合計
- 老後不足額(目標投資額):上記から逆算した数値
このシートを年に1〜2回更新するだけで、「自分が今どこにいるか」が常に把握できます。資産形成は漠然と続けるより、こうした数字の根拠があるほうが継続しやすくなります。
家計改善と資産形成を同時に進めるポイント
退職金の見える化と同時に、日々の家計を見直すことも資産形成の加速につながります。固定費の削減・ふるさと納税の活用・保険の見直しなど、支出を最適化することで投資に回せる金額が増えます。私の場合、家計改善で生まれた月3〜5万円を追加投資に回したことが、資産5,000万円達成の大きな原動力になりました。
📋 まとめ
退職金を把握するための手順をおさらいします。
- 1就業規則・退職金規定を確認する(会社のイントラ or 総務へ問い合わせ)
- 2現時点で退職した場合の金額を計算する(これを資産として計上する)
- 3退職所得控除の優遇を把握しておく(iDeCoとの兼ね合いにも注意)
- 4老後の必要資産から逆算して、今の投資目標額を決める
「なんとなくもらえるもの」から「計画の一部」に変えることが、資産形成を加速させます。まだ確認していない方は、今日中に就業規則を探してみてください。退職金を含めた資産の全体像が見えたとき、老後への不安が具体的な「目標」に変わります。




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